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西大和学園鉄道研究部(NRC)のブログです
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そこで、阪急電鉄は、阪神淡路大震災の振替輸送の時の自動改札機を改造する技術を使おう、と提案しました。
つまり、三宮駅~梅田駅間を利用する乗客は両方の路線を使えるようにするということです。
このことによるメリットの1つは、神戸電鉄新開地駅から梅田方面に行く人は鉄道会社を意識する必要がないということです。
2つ目のメリットは、行きと帰りで別々の路線を利用してもいいということです。
これにより、行動範囲を広げることができます。
その結果、阪急電鉄と阪神電鉄にも乗客が戻ってきました。

このような、鉄道会社の壁を乗り越えたサービスは、当時では非常に画期的なことでした。
阪神電鉄にとっては、最初は心配な面があったようでしたが、「今動かなければ何にもならない普通のことをやっていてはダメ」という考えに至ったので、実現しました。

それ以降、普通切符の共通化を目指すことになります。
それで誕生したのが、マグネット式のスルッとKANSAIカードです。
スルッとKANSAIカードを始めたのは1996年3月20日のことですが、その当時スルッとKANSAIに加入していた会社は、大阪市交通局、北大阪急行、阪急電鉄、阪神電鉄、能勢電鉄の5社のみでした。
スルッとKANSAIカードは、日本初の共通カードだと言われています。

当然、その当時は、他の鉄道会社の「共通カードなんてうまくいくのか」という声がありました。
それでは、どうして他の会社もスルッとKANSAIに加入するようになったのでしょうか・・・

スルッとKANSAIの参加企業は上記の5社でしたが、その情報を全ての乗客が吸収できるわけではないので、それ以外の会社の自動改札機にスルッとKANSAIカードを投入する乗客が現れます。
当然、自動改札機は開きません。
開かなければ、「自分が間違った。」と思うのが普通ですが、関西人の気質は違っていて、「どうして使われへんの?通れるようにしてよ!」と声に出します。
鉄道会社も、「うちでは対応していないからあきらめろ」という対応ならばまた別でしたが、だんだん放置できなくなっていきます。
現在のスルッとKANSAIのネットワークは、乗客の声によって広げられたものです。

ここで、スルッとKANSAIカードが誕生し、スルッとKANSAIのネットワークが現在のように広がっていった過程を整理したいと思います。
1.阪神淡路大震災
当時はとても絶望的な状況でした。
2.阪急電鉄と阪神電鉄の自動改札機の改造
これにより、改札の混雑が緩和しました。
3.2.の技術の応用による、阪急電鉄と阪神電鉄の一体化
「このままではダメ」という思いから実現しました。
4.3.以降、普通切符の共通化を目指して、スルッとKANSAIカードが誕生
「常に新しいものを追求していく姿勢」が重要です。
5.乗客の声により、スルッとKANSAIのネットワークが拡大
「関西人の気質」、「鉄道会社の柔軟な対応」が功を奏しました。

このように、「絶望的な状況にもめげずに立ち向かっていく姿勢」、「常に新しいものを追求していく姿勢」が非常に重要です。
このことは、皆さんの人生のあり方を考える上で、必ず役に立つと思います。
今年の3月11日には、東日本大震災がありましたが、この地震から画期的なサービスは生まれるのでしょうか・・・
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スルッとKANSAIカードは、関西のあらゆる鉄道で利用することができる磁気カードです。

スルッとKANSAIカードの誕生のきっかけは、なんと、阪神淡路大震災です。
これには、驚かれた方も多いと思います。

1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災の影響で、阪急電鉄、阪神電鉄、JR西日本などの鉄道が被害を受けました。
そして、復旧までにものすごく時間がかかりました。

そこで、この3社が協力することになります。
各社で被害を受けた地域が異なるので、運行できる範囲をうまく組み合わせて振替輸送を行いました。
ただし、JR西日本の復旧が異常に早く、4月1日には全線が開通してしまいました。

一般的に、振替輸送を行う際は、改札で駅員が振替票を配ります。
これは、手作業で行われるので、とても労力がかかり、また、改札がものすごく混雑しました。
そこで、自動販売機を改造して、相互の定期券が通れるようになりました。

しかし、阪急電鉄と阪神電鉄が復旧した時には、すでに大量の乗客がJR西日本に流れていて、もうどうしようもない(?)状態でした。
さて、その後の阪急電鉄と阪神電鉄はどうなってしまうのでしょうか・・・
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